案件解説

富士ソフトTOB合戦を解説|KKR対ベインの価格競争

富士ソフトをめぐるKKRとベインの攻防を、8,800円から9,850円への値上げ、ベイン案の不実施、二段階TOBと上場廃止まで解説します。

案件の基本情報

対象会社
富士ソフト(9749)
買付者
FK(KKR系) / 対抗提案者:ベインキャピタル
買付価格
KKR第1回:8,800円 / 第2回:9,451円→9,850円 / ベイン開始予定価格:9,450円→9,600円(未実施)
公表前株価との関係
7,390円(2024年8月7日終値) / 9,630円(第1回開始前の9月4日終値) / 第1回8,800円:公表前終値比19.08%・開始前終値比-8.62% / 第2回開始時9,451円:公表前終値比27.89%
買付期間
第1回:2024年9月5日〜11月5日 / 第2回:2024年11月20日〜2025年2月19日

この案件の結論

KKRは大株主との応募契約で先に約3分の1を確保し、ベインの対抗提案を受けて残る株主向けの価格を9,850円まで引き上げました。ただし、第1回と最終価格の差1,050円に対し、第1回応募者への追加補償は651円でした。

この記事の要点

  1. 第1回価格8,800円は、買収意向公表前終値を19.08%上回る一方、TOB開始前終値9,630円を8.62%下回っていました。
  2. KKR系FKは第1回で22,131,902株相当を取得し、第2回では価格を9,451円から9,850円へ引き上げました。
  3. ベイン系BCJ-88は9,450円、後に9,600円での開始を予告しましたが、一度もTOBを開始せず、2025年2月17日に不実施を公表しました。
  4. 第2回後の普通株式の議決権所有割合は56.79%。富士ソフトは2025年5月16日に上場廃止となりました。

結論:勝敗を決めたのは「1円」より「34%」

この案件の核心は、2024年末時点ではベインキャピタルの9,600円がKKRの9,451円を上回っていたのに、富士ソフト取締役会がKKR支持を維持したことです。

理由は、KKRが第1回TOBで先に約34%の議決権を確保し、ベインが残りの株式を高値で買い集めても、KKRの協力なしでは株式併合による完全非公開化を実現しにくい構造を作ったからです。途中から競争の軸は、単なる「1株価格」から、価格+取引の実行確実性+非公開化後の株主構成へ移りました。

実際にTOBを行ったのはKKR系FKだけです。ベイン系BCJ-88は1株9,450円、後に9,600円での開始を予告しましたが、一度もTOBを開始していません。

価格競争の推移

公表・提出日提案者1株価格性質と意味
2024年7月26日ベイン9,250円法的拘束力のない提案。KKRの8,800円を450円、約5.1%上回る水準
2024年8月8日KKR8,800円富士ソフトが賛同・応募推奨を表明。第1回TOBは9月5日に開始
2024年10月11日ベイン9,450円法的拘束力のある買収提案。ただし実際のTOBではなく、取締役会の賛同などを条件とする開始予定
2024年11月15日KKR9,451円第2回TOB価格。ベインをわずか1円上回る水準
2024年12月11日・18日ベイン9,600円KKRより149円高い開始予定価格。12月18日に取締役会賛同の条件を外したが、KKR第2回TOBの撤回・不成立は引き続き開始条件
2025年2月4日KKR9,850円第2回TOBの最終価格。第1回8,800円から1,050円、約11.9%上昇

価格競争の公表経緯は、富士ソフトの2024年11月15日付意見表明KKRの9,850円への引上げ発表で確認できます。


1.なぜKKRが最初に選ばれたのか

富士ソフトは2022年以降、上場を維持したまま企業価値を高める案と、PEファンドの支援を受けて非公開化する案を並行して検討していました。2023年には複数のファンドに情報提供や経営陣との面談機会を設け、2024年6月には、KKRを含む2社から法的拘束力のある意向表明、別の1社から法的拘束力のない意向表明を受領しています。

富士ソフト側の説明では、この時点の法的拘束力ある提案の中でKKRが最高価格だったため、KKRとの協議を進め、7月に独占交渉権を付与しました。2024年8月8日の企業価値向上策に関する資料には、選定過程と取締役会の判断が記載されています。

KKRの初期価格8,800円は、提案受領前の6月13日終値6,730円に対して30.76%、過去1~6か月の平均株価に対して約38~42%のプレミアムでした。当初の第1回TOBは、上限なし、買付下限66.64%という、完全非公開化を正面から目指す設計でした。

価格算定でも、SMBC日興証券のDCFレンジは7,027~9,529円、JPモルガン証券のDCFレンジは7,852~10,453円で、JPモルガンは8,800円について財務的見地から公正との意見を出していました。したがって8,800円は、当初から明らかな安値だったとはいいにくい一方、DCFレンジの上限までは相応の余地があり、対抗提案が入り得る価格でもありました。

8,800円を市場価格が上回った

KKR系FKは2024年9月5日、第1回公開買付けを開始しました。買付価格8,800円は、最初の買収意向公表前である8月7日終値7,390円に19.08%、1か月平均7,130円に23.42%、3か月平均6,797円に29.47%、6か月平均6,505円に35.28%を上乗せしています。

ここで、データ欄にある6,797円・29.47%は、最初の取得意向公表前を基準にした3か月平均とプレミアムです。TOB開始直前の市場価格との比較ではありません。

TOB開始前営業日の9月4日終値は9,630円まで上昇していました。8,800円はその市場価格を8.62%下回る水準、すなわち-8.62%です。平時株価との比較ではプレミアムでも、応募時点の市場価格より安いという逆転が起きていました。市場がベインの対抗提案やKKRの条件改善を織り込んだためです。

富士ソフトが取得したSMBC日興証券の算定は、市場株価法6,505~7,130円、類似上場会社比較法5,524~6,405円、DCF法7,027~9,529円でした。8,800円はDCFレンジ内ですが、開始前市場価格9,630円には届きませんでした。


2.KKRの最大の強み――大株主32.68%との応募契約

KKRは8月8日時点で、次の大株主と応募契約を結んでいました。

  • 3D Investment Partners:23.46%
  • Farallon:9.22%
  • 合計:32.68%

つまり、TOBを始める前から、議決権の3分の1にほぼ達する株式について売却の約束を取り付けていたわけです。

この32.68%は、単に「大量の応募が確保されていた」という以上の意味を持ちました。非公開化では通常、TOB後に株式併合を株主総会の特別決議で可決し、残った少数株主を金銭で退出させます。反対する株主が3分の1超を保有すると、特別決議に事実上の拒否権を持ち得るからです。

したがって、KKRにとって重要だったのは、最初から全株式を取得することだけではなく、まず3分の1超を確保して、他の買い手だけでは非公開化できない地位を得ることでした。


3.ベイン参入を受け、KKRが「二段階TOB」に変更

ベインは7月26日、1株9,250円の提案を出しましたが、法的拘束力のない提案でした。ベイン側は、十分なデューデリジェンスや協力の機会を与えられず、法的拘束力ある提案を出せなかったと主張しています。これに対して富士ソフト側は、従前の比較プロセスではKKRが法的拘束力ある提案の中で最高だったと説明しており、そもそも入札プロセスが十分に開かれていたかが両陣営の最初の争点でした。

ベインは9月3日、10月に法的拘束力ある提案を行う意向を公表しました。これを受け、市場株価はKKRの8,800円を上回って推移し、一般株主がKKRのTOBに応募しにくい状況になりました。

KKRはまず、当初66.64%だった下限を53.22%に引き下げて9月5日にTOBを開始し、さらに9月19日には第1回TOBの下限を完全に撤廃しました。そのうえで、第1回TOB終了後に第2回TOBを行う二段階方式へ変更しました。3DIPとFarallonは既に応募しており、KKRの承諾なしには撤回しないことも確認されていました。

KKRの公式説明は、次の二種類の株主に選択肢を与えるというものでした。

  • 8,800円ですぐ売りたい株主からは、第1回TOBで確実に買う
  • ベインの正式提案を待ちたい株主には、第2回TOBまで判断を留保してもらう

しかし実務的な効果は、より戦略的でした。第1回TOBに下限がなくなったため、KKRは全体の過半数を取れなくても、少なくとも応募契約済みの32.68%を確実に取得できるようになったからです。変更理由はKKRの2024年9月19日付発表にも示されています。

なお、累計53.22%という水準も任意に設定されたものではありません。KKRは、TOBには応募しないパッシブファンド等も株式併合には賛成すると想定し、過去の株主総会の議決権行使率を使って、53.22%を取得すれば株式併合の特別決議を通せる可能性が高いと計算していました。

第1回TOBの結果と4つの比率

条件変更後の第1回TOBは、上限・下限を設けず、2024年9月5日から11月5日までの40営業日実施されました。全応募を取得したため、第1回TOB自体は成立しています。ただし、非公開化の完了ではなく、第2回TOBを必要とする中間到達点でした。

第1回の取得数は、普通株式21,413,302株と新株予約権の株式換算718,600株を合計した、22,131,902株相当です。結果は第1回公開買付けの結果で確認できます。

第1回結果資料では、22,131,902株相当が潜在株式を含む株式総数の35.00%に当たります。同じ資料で、普通株式だけの議決権所有割合は34.01%です。

一方、第2回の公開買付届出書では、基準時点と新株予約権の算入範囲が変わり、第1回後の割合を35.11%、普通株式だけの第2回開始前保有を33.97%としています。

35.00%、34.01%、35.11%、33.97%は、分子・分母、新株予約権の扱い、基準時点が異なる数字です。数字が近くても同じ比率ではありません。第1回の取得実績を見るなら35.00%、第1回結果時点の普通株式議決権比率を見るなら34.01%というように、定義を添えて読む必要があります。


4.ベイン9,450円に対し、KKRが「9,451円」

ベインは10月11日、8,800円を650円、約7.39%上回る9,450円で、法的拘束力ある提案を提出しました。

ただし、ここで注意が必要です。法的拘束力ある買収提案と、実際に開始されたTOBは同じではありません。 ベインの提案は、富士ソフト取締役会の賛同などを条件とする「TOB開始予定」であり、その時点で一般株主が9,450円で応募できたわけではありません。富士ソフトの開始予定に関する公表も、実施済みTOBではなく開始予定として扱っています。

富士ソフトはベイン提案を「真摯な提案」と認め、株主がKKR第1回TOBへの応募を見送って様子を見ることも合理的だと説明しました。

第1回TOBの終了から10日後の11月15日、KKRは第2回TOB価格を9,451円に引き上げました。ベインの9,450円より、わずか1円高い価格です。

この1円差は率にすると約0.0106%で、経済的にはほとんど意味がありません。しかし、富士ソフト取締役会が「現時点ではKKRの方が高い」と説明するための明確な境界線にはなりました。富士ソフトはKKRへの賛同・応募推奨を維持し、ベイン提案には反対しました。

KKRは、第1回TOBに8,800円で応募した株主についても、9,451円との差額である1株651円の経済的補償を予定し、二段階TOBによる価格差への対応を図りました。


5.ベインは9,600円へ――それでも富士ソフトがKKRを選んだ理由

ベインは12月11日、予定価格を9,600円に引き上げました。KKRの9,451円より149円、約1.58%高い価格です。買付下限は33.91%とされ、開始時期は2025年1月下旬または2月上旬が想定されていました。

さらに12月18日、ベインは富士ソフト取締役会の賛同をTOB開始の前提条件から外し、経営陣の同意がなくても買収を進める姿勢を示しました。創業家株主とは合計約18.6%について応募・不応募契約を締結し、買付上限を約49.9%、下限を約33.9%とする設計を示しました。

それでも、ベインのTOBはKKRの第2回TOBと同時に走るものではありませんでした。KKRの第2回TOBが撤回されるか、不成立となることが、ベインTOB開始の条件として残っていました。したがって、2024年中に現実に進行していたのはKKRのTOBであり、ベインの9,600円は依然として将来の条件付き提案でした。

実行可能性

KKRは既に約34%の議決権を保有していました。ベインが残りの株式を取得し、創業家の協力を得て経営支配権を握ったとしても、KKRが株主として残り、株式併合に反対すれば、ベイン単独での完全非公開化は困難です。

富士ソフトの特別委員会は、KKRとベインが大株主として併存すると、株主総会の特別決議を必要とする組織再編や大型施策についてデッドロックが起こり、企業価値向上策を実行できないリスクがあると判断しました。

時間価値と成立時期

富士ソフト側は、ベインのTOB完了はKKRより少なくとも約3か月遅れると見積もりました。しかもベイン案はKKRのTOB失敗後にしか開始できないため、構造的にKKR案より後になります。

特別委員会は、KKRなら約3か月早く現金化でき、非公開化後の企業価値向上策にも早く着手できるため、将来キャッシュフローの現在価値という面でもKKR案が優位だとしました。判断理由は2024年12月17日付の富士ソフト公表資料に示されています。

149円の差は9,451円に対して1.58%です。仮に受取時期がちょうど3か月違うとすると、単純な年率換算では約6.5%に相当します。もちろん成立確率や株価変動もあるためこれだけで優劣は決まりませんが、取締役会の「149円高くても、3か月待つことには相応のコストがある」という説明には一定の数値的根拠がありました。

「最高価格を自動的に選ぶわけではない」という判断

富士ソフトの特別委員会は、経済産業省の「企業買収における行動指針」を、単純に最も高い価格を選ぶのではなく、企業価値と株主共同の利益を基準に判断するものと解釈しました。

そのうえで、

  • KKRの9,451円は、競争と価格交渉を経た十分な価格である
  • ベインとの差は149円、1.58%にすぎない
  • KKRの方が早く、実行確実性が高い
  • ベイン案には大株主併存・デッドロックのリスクがある

として、価格が高いベインではなくKKRを支持しました。これは日本法一般について「最高価格を選ぶ義務が絶対にない」と断定したものではなく、あくまで富士ソフト特別委員会が本件で採用した判断枠組みです。


6.この判断をどう評価するか

KKR・富士ソフト側から見た合理性

KKRは、比較プロセスで選ばれた法的拘束力ある買い手であり、実際に資金を用意してTOBを開始・完了していました。取締役会の支持、大株主32.68%の応募契約、約34%の実保有、規制対応、具体的な非公開化手続がそろっており、取引確実性では明らかに先行していたといえます。

富士ソフトは8月23日以降、ベインにも他のPEファンドと同内容の情報を開示し、特別委員会もベインへの質問状送付や複数回の面談を行っていました。したがって、ベイン案を全く検討せず排除したというわけでもありません。

ベイン側から見た問題点

一方で、ベインの批判にも重要な論点があります。ベインは、初期段階で十分な情報や法的拘束力ある提案を出す機会を与えられず、KKRに独占交渉権と大株主の応募契約が先に与えられたため、競争条件が非対称だったと主張しました。実際、最終的にベインがKKRを上回る価格を提示したことは、より開かれた競争を早期に行っていれば、当初から価格が上がった可能性を示しています。

また、ガバナンス上の最も鋭い論点は、次の循環です。

KKRが先に34%を取得してベインの完全非公開化を困難にした

→ ベイン案は実行可能性が低いと評価された

→ 実行可能性の低さを理由にKKRが選ばれた

KKRの持分取得は適法なTOBの結果ですが、KKR自身が作り出した構造的優位を、後の比較評価でそのままKKR支持の理由に使ってよいのかは、議論の余地があります。


7.最終的な帰結

2024年の段階では、名目上の最高価格はベインの9,600円でした。しかし、ベインは実際のTOBを開始せず、KKRは約34%の拒否権的持分を既に確保していました。

KKRの第2回TOBは、2024年11月20日から2025年2月19日まで延長を重ねて59営業日行われました。開始時の買付価格は9,451円でしたが、KKRは2025年2月4日に9,850円へ引き上げました。第2回TOBも成立しています。

第2回でFKが追加取得したのは、普通株式14,339,979株と新株予約権の株式換算39,800株を合計した、14,379,779株相当です。第2回公開買付報告書に応募・取得結果が記載されています。

第2回後の3つの所有割合

第2回後、富士ソフトの親会社異動資料では、FKの普通株式保有は35,793,081株、普通株式の議決権所有割合は56.79%です。第2回TOB結果と親会社異動のお知らせで確認できます。

一方、FKの結果資料には56.05%、EDINET資料には57.24%という数字もあります。56.05%は潜在株式を分母に含む株券等所有割合です。57.24%は、FKが持つ新株予約権の潜在株式も分子に加えた計算です。

56.79%、56.05%、57.24%はすべてFK単独についての数字ですが、分子・分母の定義が異なります。普通株式による支配関係を見る場合は、普通株式35,793,081株、議決権所有割合56.79%が分かりやすい指標です。

ベインは一度もTOBを開始しなかった

ベイン系BCJ-88は、KKRの9,850円への引上げを確認した後、予定していた9,600円を再度引き上げませんでした。そして2025年2月17日、TOBを実施しないと公表しました。BCJ-88の不実施に関するお知らせにも、公開買付けを開始しない旨が記載されています。

これは開始後の成立・不成立ではなく、開始前の不実施です。ベインは9,450円から9,600円へ予定価格を引き上げましたが、一度も株主が応募できるTOBを開始していません。

第1回応募者に残った399円の差

第1回へ応募した株主は8,800円、第2回の最終応募者は9,850円で売却できたため、提示価格には1株1,050円の差があります。KKRが公平性への配慮として設けた追加補償は1株651円でした。第2回の開始価格9,451円と、第1回価格8,800円の差額です。

第2回価格が9,850円へ上がった後も、補償額は651円のままでした。追加補償を受けても第1回の経済的対価は9,451円相当で、最終価格とは399円の差が残ります。第1回応募者向け補償の案内で手続きが案内されました。

KKRは2025年5月28日までに手続書類の郵送を終えたと公表しました。ただし、対象者全員が実際に請求し、受け取ったかまでは公表されていません。

上場廃止と非応募株主への支払い

第2回TOBの成立により、FKは2025年2月27日付で富士ソフトの親会社となりました。その後、株式併合によるスクイーズアウトが進められ、富士ソフト株式は2025年5月16日に東京証券取引所プライム市場で上場廃止となりました。

TOBへ応募しなかった株主には、株式併合の端数処理を通じ、最終TOB価格と同じ1株9,850円相当の金銭が2025年9月19日に交付されました。上場廃止後の手続きと交付日は富士ソフトの株式情報で確認できます。


この案件が残した論点

要するに、1円上乗せは象徴的な一手にすぎません。勝敗を事実上決めたのは、KKRが3DIP・Farallonとの応募契約を基礎に、第1回TOBで先に約34%の議決権を取得したことです。 一方、ベインの競争参加は、KKRの第2回TOB価格を当初の8,800円から最終的に9,850円まで引き上げる圧力となりました。

本件は、日本のM&Aにおいて「最高価格」と「取引確実性」のどちらを重視するか、さらに先行取得したブロッキング・ポジションをどう評価するかを示す代表的事例です。ただし、KKRとベインの2つのTOBが最後まで並走したわけではありません。ベインは9,450円、9,600円と予定価格を示したものの実施せず、その予告がKKRの条件と市場価格を動かしたのです。

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