案件タイプ
エス・イー・ラボは証券コード4789の上場会社で、報告書上の発行済株式総数は3,500,000株だった。創業者は500,000株のうち400,000株を公開買付けでTISへ移し、保有割合を14.29%から2.86%へ下げた。この400,000株はTISが公開買付けで得た1,639,000株の一部であり、創業者分と買付け全体を区別する必要がある。
2009年の当事会社資料は、2001年7月の業務・資本提携がiSeries分野での地位向上を狙ったもので、TISの連結子会社化につながったと回顧している。2001年9月の公式発表も、iSeriesを軸に事業領域と顧客層を広げる方針を記しており、資本関係の強化と事業目的が整合する。
読みどころ
公開買付け後の46.83%は過半数に届かなかったため、TISは298,000株の第三者割当を全量引き受け、51.00%へ引き上げる経路を選んだ。既存株主から1,639,000株を集める取引と、対象会社が発行する新株を取得する取引を連続させることで、連結支配に必要な水準へ到達した構造である。
創業者の応募分は2億8,000万円、後続の第三者割当引受けは2億860万円である。前者は400,000株と700円の積で、公開買付け全体の代金ではない。後者も新株298,000株の取得価額であるため、二つを混ぜず、既存株主への対価と対象会社への資本投入を別の資金移動として読むべきである。
創業者が公開買付けで処分した単価700円は確認できるが、公表前終値、一定期間平均、第三者評価の算定根拠は採用資料にない。このためプレミアム率や価格の公正性は評価しない。第三者割当の取得価額2億860万円を298,000株で割った700円とは数値が一致するが、同じ価格を採用した理由までは資料から補わない。
創業者は保有の80%に当たる400,000株を売却しながら100,000株を残した。公開買付け全体でTISは1,639,000株を取得したが、応募総数と按分の有無は分からない。後続の新株発行でTIS以外の持分は相対的に薄まり、TISが51.00%を持つ連結子会社の少数株主として残る構造になった。