検証済みTOB事例

エス・イー・ラボのTOB・MBO事例:TIS(2001-07-25公表・2001年収録)

TISによるエス・イー・ラボの2001年案件は、公開買付けだけで過半数を得た取引ではない。TISは公開買付けで1,639,000株を取得して46.83%となり、その後、第三者割当増資298,000株を引き受けて51.00%へ進む設計を公表した。創業者は公開買付けに400,000株を1株700円で応募しており、大株主からの取得と新株引受けを組み合わせた二段階の子会社化だった。

主要条件

対象会社 エス・イー・ラボ 4789
買付者 TIS エス・イー・ラボ←TIS
TOB価格 1株700円(創業者の変更報告書で、TISへ400,000株を公開買付けにより処分したことを確認) 比較基準株価: 参照株価不掲載
プレミアム 算定不可 基準不掲載
公開買付期間 2001年7月25日公表、2001年8月31日に創業者保有400,000株をTISへ1株700円で処分(公開買付による)した変更報告書を確認 代理人不掲載
最終進捗 成立(一次資料で結果確認) 2001-09-10 / 株式会社エス・イー・ラボの株式取得および子会社化に関するお知らせ

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は1株700円(創業者の変更報告書で、TISへ400,000株を公開買付けにより処分したことを確認)、比較基準株価は参照株価不掲載です。

プレミアムは算定不可で、分類はプレミアム算定不可です。

公開買付期間は2001年7月25日公表、2001年8月31日に創業者保有400,000株をTISへ1株700円で処分(公開買付による)した変更報告書を確認、進行状況は資料準拠として整理しています。

最終進捗は成立(一次資料で結果確認)、最終イベントは2001-09-10の「株式会社エス・イー・ラボの株式取得および子会社化に関するお知らせ」です。

確認ポイント

  • プレミアムを算定できない案件では、公開買付届出書、意見表明報告書、結果公表で買付価格、基準株価、算定根拠を直接確認する。
  • エス・イー・ラボとTISの資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

結論

TISによるエス・イー・ラボの2001年案件は、公開買付けだけで過半数を得た取引ではない。TISは公開買付けで1,639,000株を取得して46.83%となり、その後、第三者割当増資298,000株を引き受けて51.00%へ進む設計を公表した。創業者は公開買付けに400,000株を1株700円で応募しており、大株主からの取得と新株引受けを組み合わせた二段階の子会社化だった。

確認した事実

  1. f-selab-1 確認済み エス・イー・ラボ創業者の変更報告書保存コピーは、報告義務発生日を2001年8月31日、提出日を9月5日としている。

  2. f-selab-2 確認済み 同報告書は、創業者が2001年8月31日に普通株式400,000株をTISへ処分したと記録している。

  3. f-selab-3 確認済み 処分方法は公開買付けによるもので、単価は1株700円だった。

  4. f-selab-4 確認済み 創業者の保有株式数は従前の500,000株から100,000株へ減少し、保有割合は14.29%から2.86%になった。

  5. f-selab-5 確認済み 報告書に記載されたエス・イー・ラボの発行済株式総数は3,500,000株だった。

  6. f-selab-6 確認済み 400,000株に1株700円を掛けた創業者保有分の処分価額は280,000,000円となる。

  7. f-selab-7 条件付き確認 事例研究は、TISによるエス・イー・ラボ株式の公開買付けを2001年7月公表の案件として収録している。

  8. f-selab-8 条件付き確認 創業者側の変更報告書だけでは、TISによる応募総数、実取得総数、取引後のTISグループ全体の所有割合を確定できない。

  9. f-selab-9 確認済み ITホールディングスが2009年に公表した公式資料は、エス・イー・ラボが2001年7月にTISと業務・資本提携で合意し、TISの連結子会社になったと回顧している。

  10. f-selab-10 確認済み TISは公開買付けによりエス・イー・ラボ株式1,639,000株を2001年9月7日に取得し、その結果を同年8月31日に公表していた。

  11. f-selab-11 確認済み 公開買付け後、TISの直接保有は1,639,000株、発行済株式総数に対する所有割合は46.83%となった。

  12. f-selab-12 確認済み TISは2001年9月10日、エス・イー・ラボの第三者割当増資298,000株を全株引き受けて連結子会社化することを決議した。

  13. f-selab-13 確認済み 第三者割当で取得する298,000株の取得価額は208,600,000円で、株券引渡し期日は2001年9月28日とされた。

  14. f-selab-14 確認済み 第三者割当後のTISの直接保有は1,937,000株、所有割合51.00%となる計画だった。

  15. f-selab-15 確認済み TISは、iSeriesに強いエス・イー・ラボとの連携により、事業領域の拡充、顧客層の多様化、新規顧客・新規事業の開拓を進める方針を示した。

背景

エス・イー・ラボは証券コード4789の上場会社で、報告書上の発行済株式総数は3,500,000株だった。創業者は500,000株のうち400,000株を公開買付けでTISへ移し、保有割合を14.29%から2.86%へ下げた。この400,000株はTISが公開買付けで得た1,639,000株の一部であり、創業者分と買付け全体を区別する必要がある。

2009年の当事会社資料は、2001年7月の業務・資本提携がiSeries分野での地位向上を狙ったもので、TISの連結子会社化につながったと回顧している。2001年9月の公式発表も、iSeriesを軸に事業領域と顧客層を広げる方針を記しており、資本関係の強化と事業目的が整合する。

なぜこの取引が選ばれたか

公開買付け後の46.83%は過半数に届かなかったため、TISは298,000株の第三者割当を全量引き受け、51.00%へ引き上げる経路を選んだ。既存株主から1,639,000株を集める取引と、対象会社が発行する新株を取得する取引を連続させることで、連結支配に必要な水準へ到達した構造である。

創業者の応募分は2億8,000万円、後続の第三者割当引受けは2億860万円である。前者は400,000株と700円の積で、公開買付け全体の代金ではない。後者も新株298,000株の取得価額であるため、二つを混ぜず、既存株主への対価と対象会社への資本投入を別の資金移動として読むべきである。

プレミアムの読み方

創業者が公開買付けで処分した単価700円は確認できるが、公表前終値、一定期間平均、第三者評価の算定根拠は採用資料にない。このためプレミアム率や価格の公正性は評価しない。第三者割当の取得価額2億860万円を298,000株で割った700円とは数値が一致するが、同じ価格を採用した理由までは資料から補わない。

少数株主の論点

創業者は保有の80%に当たる400,000株を売却しながら100,000株を残した。公開買付け全体でTISは1,639,000株を取得したが、応募総数と按分の有無は分からない。後続の新株発行でTIS以外の持分は相対的に薄まり、TISが51.00%を持つ連結子会社の少数株主として残る構造になった。

結果の評価

2001年9月10日のTIS公式発表により、公開買付けで1,639,000株を取得して46.83%となった結果と、第三者割当298,000株の引受けで1,937,000株・51.00%へ進む計画を連続して確認できる。創業者の変更報告書は、そのうち400,000株が1株700円で移転したことを補完する。連結子会社化という到達点は後年の公式資料とも一致する。

確認できない点・限界

2001年8月31日付の公開買付け結果通知そのものはオンラインで回収できず、買付期間、応募総数、按分の有無、公開買付け全体の支払額は確認できない。取得株数・取得日・46.83%は、その結果を参照する9月10日付TIS公式発表で確認した。創業者の変更報告書は現行EDINET原本ではなく保存コピーであるため、700円と400,000株は記載範囲を明示して用いた。第三者割当の51.00%は発表時の計画値であり、株券引渡し後の別の完了通知までは回収していない。

資料一覧

このTOBの位置づけ

案件タイプ

エス・イー・ラボは証券コード4789の上場会社で、報告書上の発行済株式総数は3,500,000株だった。創業者は500,000株のうち400,000株を公開買付けでTISへ移し、保有割合を14.29%から2.86%へ下げた。この400,000株はTISが公開買付けで得た1,639,000株の一部であり、創業者分と買付け全体を区別する必要がある。

2009年の当事会社資料は、2001年7月の業務・資本提携がiSeries分野での地位向上を狙ったもので、TISの連結子会社化につながったと回顧している。2001年9月の公式発表も、iSeriesを軸に事業領域と顧客層を広げる方針を記しており、資本関係の強化と事業目的が整合する。

読みどころ

公開買付け後の46.83%は過半数に届かなかったため、TISは298,000株の第三者割当を全量引き受け、51.00%へ引き上げる経路を選んだ。既存株主から1,639,000株を集める取引と、対象会社が発行する新株を取得する取引を連続させることで、連結支配に必要な水準へ到達した構造である。

創業者の応募分は2億8,000万円、後続の第三者割当引受けは2億860万円である。前者は400,000株と700円の積で、公開買付け全体の代金ではない。後者も新株298,000株の取得価額であるため、二つを混ぜず、既存株主への対価と対象会社への資本投入を別の資金移動として読むべきである。

創業者が公開買付けで処分した単価700円は確認できるが、公表前終値、一定期間平均、第三者評価の算定根拠は採用資料にない。このためプレミアム率や価格の公正性は評価しない。第三者割当の取得価額2億860万円を298,000株で割った700円とは数値が一致するが、同じ価格を採用した理由までは資料から補わない。

創業者は保有の80%に当たる400,000株を売却しながら100,000株を残した。公開買付け全体でTISは1,639,000株を取得したが、応募総数と按分の有無は分からない。後続の新株発行でTIS以外の持分は相対的に薄まり、TISが51.00%を持つ連結子会社の少数株主として残る構造になった。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は2件、確認日は2026-07-18です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分TOB

スケジュール資料準拠

応募期間開始日不掲載 - 2001-08-31

イベント数2

上場・手続き上場方針不掲載

100株損益不掲載

3か月プレミアム算定不可