案件タイプ
第1回公開買付け後に主要株主の持分が集中し、万有製薬は7月27日に上場廃止となっていた。したがって第2回は上場支配権を争う局面ではなく、流動性が失われた残存株主へ円建て現金の退出機会を設ける後処理の性格が強い。
SEC no-action文書は米国規制上の適用調整を求める手続資料で、開始予定と取引設計を示すが結果通知ではない。実際の完了、99.4%、約1億4,270万ドルはMerck年次報告書により別に確認し、予定と実績を接続する。
読みどころ
Merckは追加取得が日本市場での地位を強化すると説明した。少数株主を減らせば研究開発、製品導入、資本配分をグループ全体で進めやすい一方、99.4%到達後に残る0.6%の法的処理は第2回TOBだけでは完了していない。
NomuraとJ.P. Morganを事務に置き、円建てで日本決済とすることで、日本株主の取引実務を維持しながら米国規制との重複を調整した。クロスボーダー案件ではドル建て会計額と株主に提示した円建て対価を同じ価格単位にしないことが重要である。
今回確認したSEC文書とMerck年次報告書には1株当たり円価格がなく、約1億4,270万ドルは第2回買付けの購入価格総額である。これを残存割合だけで割って1株価格やプレミアムを推計せず、円建て提示だった事実とドル建て連結会計額を別々に表示する。
上場廃止後の残存株主にとって、第2回TOBは市場売却に代わる円現金の出口だった。全残存株を対象にしたものの結果持分は99.4%で、全員が応募したわけではない。残る株主の権利処理や最終100%化は後続資料で確認すべきである。