案件タイプ
大企業子会社のカーブアウトでは、旧親会社との取引関係を維持しつつ、独立会社として資本と意思決定を再設計する必要がある。公式ポートフォリオはMBO・非公開化と明記し、経営陣の継続関与を含む再出発が案件の中心だった。
2003年3月の投資と5月29日の法認定は異なるイベントである。認定記事は申請者をKPホールディングとし、公式ポートフォリオはMBI IIを投資主体に含めるため、買付者名を「AP・住友金属・経営陣」と一括せず、法的主体を原本で確かめる必要がある。
読みどころ
MBOは事業を熟知する経営陣に運営継続性を持たせながら、ファンドの資本と改革支援を導入できる。改正産業再生法の第1号認定は制度支援を伴う再編だったことを示すが、利益改善や債務削減の数値目標は今回の資料から確認できない。
2005年にはAP系2ファンドが2,210株をアパマン側へ売却し、80.7%の支配持分の受渡しが完了した。これは2003年の非公開化後に支配持分を売却できる所有構造が形成されたことを示す一方、二年後の取引を当初MBOの成果とみなすには、保有期間中の事業改善を追加検証する必要がある。
2003年MBOの1株価格、買付総額、算定方法を示す資料がないため、プレミアム評価はできない。2005年の2,210株・7,545百万円の支配持分売却は別取引であり、その価格を2003年TOBへ逆算しない。旧親会社からのカーブアウト条件と経営陣の出資条件を含む当時資料が必要である。
MBOでは経営陣が買い手側に関与するため、一般株主との利益相反管理が重要になる。本件は価格、対象意見、第三者算定、特別委員会の有無を確認できず、退出条件の公正性を評価できない。2005年の資料も80.7%の支配持分移転を示すだけで、全株主が同条件で退出したとは結論しない。