検証済みTOB事例

日立国際電気のTOB・MBO事例:HKEホールディングス(KKR)(2017-04-26公表・2017年収録)

日立国際電気の案件は、4月公表の2,503円案がそのまま実施されたものではない。開始時に2,900円へ増額し、応募状況を踏まえ11月24日に最終3,132円へ再増額、期限も12月8日へ延長した。結果は26,242,364株の取得で成立し、日立製作所分を含む関係者所有割合は77.23%となった。

主要条件

対象会社 日立国際電気 6756
買付者 HKEホールディングス(KKR) 日立国際電気←HKEホールディングス(KKR)
TOB価格 3,132円 比較基準株価: 2,416円
プレミアム +29.64% market_close_before_announcement
公開買付期間 2017-10-12 - 2017-12-08 代理人不掲載
最終進捗 成立(一次資料で結果確認) 2017-12-11 / 株式会社日立国際電気株券等に対する公開買付報告書

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は3,132円、比較基準株価は2,416円です。

プレミアムは+29.64%で、分類は標準的プレミアムです。

公開買付期間は2017-10-12 - 2017-12-08、進行状況は終了として整理しています。

最終進捗は成立(一次資料で結果確認)、最終イベントは2017-12-11の「株式会社日立国際電気株券等に対する公開買付報告書」です。

確認ポイント

  • 日立国際電気とHKEホールディングス(KKR)の資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

結論

日立国際電気の案件は、4月公表の2,503円案がそのまま実施されたものではない。開始時に2,900円へ増額し、応募状況を踏まえ11月24日に最終3,132円へ再増額、期限も12月8日へ延長した。結果は26,242,364株の取得で成立し、日立製作所分を含む関係者所有割合は77.23%となった。

確認した事実

  1. f86-plan 確認済み KKR系HKEホールディングスは2017年4月26日に日立国際電気の再編を公表し、当初買付価格を2,503円としていたが、業績上方修正と市場動向を踏まえ開始を延期した。

  2. f86-first-revision 確認済み 実際の開始に際して2017年10月11日に価格を2,503円から2,900円へ引き上げ、公開買付期間を10月12日から11月24日までの30営業日とした。

  3. f86-final-revision 確認済み 11月24日に価格を2,900円から最終3,132円へ再度引き上げ、期限を12月8日まで延長して全40営業日とし、これ以上条件を変更しない方針を表明した。

  4. f86-price 確認済み 最終価格3,132円は初回公表前営業日4月25日終値2,416円に29.64%、同日までの3か月平均2,502円に25.18%を上乗せし、最終開始前の10月11日終値3,115円比では0.55%だった。

  5. f86-terms 確認済み 買付予定数は49,631,776株、下限24,815,889株、上限なしで、日立製作所保有53,070,129株、51.67%は応募せず後続の対象会社自己株取得で処理する計画だった。

  6. f86-result 確認済み 最終的な応募・取得数は26,242,364株で下限を上回り、日立製作所を特別関係者に含めた買付後所有割合は77.23%となった。

  7. f86-end-state 確認済み 本取引はTOB、株式併合、日立国際電気による日立製作所保有株の自己株取得等を経て、最終的にKKR60%、日立製作所20%、日本産業パートナーズ系20%とする構想だった。

背景

KKRは日立国際電気をいったん非公開化し、映像・通信分野と半導体製造装置分野を再編する構想を採った。日立製作所の51.67%はTOBへ応募せず、対象会社の自己株取得で後から処理し、最終的にKKR60%、日立20%、日本産業パートナーズ系20%へ組み替える複合取引だった。

4月公表後、7月26日の業績予想上方修正や株価上昇を受けて開始は延期された。10月の実施時に2,900円へ直しただけでなく、期間末にも応募見込みを精査して3,132円へ上げたため、データでは計画価格、開始価格、最終価格を必ず別々の履歴として残す必要がある。

なぜこの取引が選ばれたか

最終3,132円は初回公表前終値2,416円比29.64%、3か月平均2,502円比25.18%だった。これに対し10月11日終値3,115円比は0.55%にすぎない。前者は公表前株主への上乗せ、後者は半年近い情報織込み後の追加余地を表し、同じプレミアム欄へ混在させると意味を失う。

11月24日の232円増額と10営業日の延長は、応募株数が下限へ届く確度を高めるための最終措置だった。取得26,242,364株は下限24,815,889株を約143万株上回るだけで、余裕は大きくない。最終変更が成立に実質的な役割を果たした可能性は高いが、変更前の確定応募数は公開資料から分離できない。

プレミアムの読み方

案件の最終条件は3,132円であり、2,503円や2,900円を最終価格として表示してはいけない。代表比較は初回公表前4月25日終値比29.64%、3か月平均比25.18%とする。開始直前比0.55%は、公表・上方修正・最初の増額を既に織り込んだ市場との補助比較としてラベルを分ける。

少数株主の論点

少数株主は4月から12月まで条件確定を待つ間、業績上振れと取引不成立リスクを評価し続けた。二度の増額はその変化を価格へ反映したが、最終増額と同時に「これ以上変更しない」と明示されたため、株主は3,132円で応募するか、後続の現金化へ進むかを限られた期間で決めることになった。

結果の評価

最終的に下限を超えてTOBは成立し、多段階再編の入口は確保された。ただし関係者合算77.23%には応募しなかった日立製作所の51.67%が含まれ、KKR単独の取得割合ではない。TOB成功と、自己株取得を含む最終60・20・20構成の完了は別イベントとして検証すべきである。

確認できない点・限界

本稿は最終訂正届出書と公開買付報告書で価格・期間・取得数を確定したが、各変更直前の応募内訳、株主との非公開交渉、後続自己株取得と事業分離の完了日、再編後各社の業績は扱っていない。最終増額がなければ不成立だったという反実仮想も断定しない。

資料一覧

このTOBの位置づけ

案件タイプ

KKRは日立国際電気をいったん非公開化し、映像・通信分野と半導体製造装置分野を再編する構想を採った。日立製作所の51.67%はTOBへ応募せず、対象会社の自己株取得で後から処理し、最終的にKKR60%、日立20%、日本産業パートナーズ系20%へ組み替える複合取引だった。

4月公表後、7月26日の業績予想上方修正や株価上昇を受けて開始は延期された。10月の実施時に2,900円へ直しただけでなく、期間末にも応募見込みを精査して3,132円へ上げたため、データでは計画価格、開始価格、最終価格を必ず別々の履歴として残す必要がある。

読みどころ

最終3,132円は初回公表前終値2,416円比29.64%、3か月平均2,502円比25.18%だった。これに対し10月11日終値3,115円比は0.55%にすぎない。前者は公表前株主への上乗せ、後者は半年近い情報織込み後の追加余地を表し、同じプレミアム欄へ混在させると意味を失う。

11月24日の232円増額と10営業日の延長は、応募株数が下限へ届く確度を高めるための最終措置だった。取得26,242,364株は下限24,815,889株を約143万株上回るだけで、余裕は大きくない。最終変更が成立に実質的な役割を果たした可能性は高いが、変更前の確定応募数は公開資料から分離できない。

案件の最終条件は3,132円であり、2,503円や2,900円を最終価格として表示してはいけない。代表比較は初回公表前4月25日終値比29.64%、3か月平均比25.18%とする。開始直前比0.55%は、公表・上方修正・最初の増額を既に織り込んだ市場との補助比較としてラベルを分ける。

少数株主は4月から12月まで条件確定を待つ間、業績上振れと取引不成立リスクを評価し続けた。二度の増額はその変化を価格へ反映したが、最終増額と同時に「これ以上変更しない」と明示されたため、株主は3,132円で応募するか、後続の現金化へ進むかを限られた期間で決めることになった。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は3件、確認日は2026-07-16です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分TOB

スケジュール終了

応募期間2017-10-12 - 2017-12-08

イベント数3

上場・手続き上場方針不掲載

100株損益不掲載

3か月プレミアム+25.18%