検証済みTOB事例

今仙電機製作所のTOB・MBO事例:テイ・エス テック(2020-11-10公表・2020年収録)

今仙電機製作所の資本提携はTOBだけで完結せず、上限取得と第三者割当を連結する設計だった。TOBでは7,161,284株の応募から5,209,500株を買い、直後の直接28.06%、特別関係者込み29.45%を確保した。

主要条件

対象会社 今仙電機製作所 7266
買付者 テイ・エス テック 今仙電機製作所←テイ・エス テック
TOB価格 930円 比較基準株価: 634円
プレミアム +46.69% market_close_before_announcement
公開買付期間 2020-11-10 - 2020-12-08 公開買付代理人: 野村證券株式会社
最終進捗 成立(一次資料で結果確認) 2020-12-09 / テイ・エス テックによる今仙電機製作所株券に対する公開買付けの結果及び第三者割当増資に関するお知らせ

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は930円、比較基準株価は634円です。

プレミアムは+46.69%で、分類は高プレミアムです。

公開買付期間は2020-11-10 - 2020-12-08、進行状況は終了として整理しています。

最終進捗は成立(一次資料で結果確認)、最終イベントは2020-12-09の「テイ・エス テックによる今仙電機製作所株券に対する公開買付けの結果及び第三者割当増資に関するお知らせ」です。

確認ポイント

  • 高プレミアム案件では、競合提案、完全子会社化の必要性、シナジー説明、スクイーズアウト予定の有無を確認する。
  • 今仙電機製作所とテイ・エス テックの資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

確認した事実

  1. f992-purpose 確認済み テイ・エス テックは今仙電機製作所と資本業務提携し、自動車シート、電装、機構部品の開発・調達を連携させるため、TOBと第三者割当増資を組み合わせた。

  2. f992-terms 確認済み 買付価格は1株930円、期間は2020年11月10日から12月8日までの20営業日で、下限は設けず、上限を5,209,500株とした。

  3. f992-price 確認済み 930円は2020年11月6日終値634円に46.69%、同日までの3か月平均660円に40.91%のプレミアムを付した。

  4. f992-before 確認済み 開始前の買付者直接所有割合は3.06%、特別関係者は5.12%で、法定の合算所有割合は8.18%だった。

  5. f992-result 確認済み 応募7,161,284株が上限を超え、あん分比例で5,209,500株を取得した。TOB直後は買付者直接28.06%、特別関係者1.39%、合算29.45%だった。

  6. f992-allotment 確認済み TOB結果を受け、買付者は2020年12月16日に同じ930円で第三者割当2,134,200株を引き受ける予定とされた。割当後の表示は、対象会社の異動表で直接34.74%、買付者側の取得状況で直接34.75%、法定の特別関係者込み予想で36.01%と、分母・丸め・合算範囲により分かれる。

  7. f992-listing 確認済み 今仙電機製作所はテイ・エス テックの持分法適用関連会社となる一方、株式の上場を維持する方針だった。

背景

自動車部品メーカーは電動化、軽量化、制御ソフトへの投資を迫られ、単独で開発費を負うほど採算が不安定になる。シートに強いテイ・エス テックと電装・機構部品を持つ今仙電機は、顧客基盤と技術を組み合わせることで提案範囲を広げようとした。

下限を置かず上限だけを設定し、取得不足分は第三者割当で補う仕組みは、公開市場から買える数量にかかわらず必要持分へ近づける。反面、非応募株主には新株発行による希薄化が生じるため、TOBへの任意応募と会社による資本調達を一体で評価する必要がある。

なぜこの取引が選ばれたか

930円は直前終値比46.69%、3か月平均比40.91%で、上場維持型の部分買付けとして厚い上乗せだった。そのため応募は上限を約195万株超過し、あん分比例により希望数量の全てを売れない株主が多数生じた。

TOBだけなら直接28.06%、合算29.45%であり、第三者割当後の予定値とは基準時点が違う。さらに割当後も対象会社表示34.74%、買付者表示34.75%、特別関係者込み36.01%で集計範囲が異なる。市場取得、新株引受、直接・合算比率を分離して読むことが資本構成の理解に不可欠である。

プレミアムの読み方

40%超のプレミアムは売却希望を強く誘ったが、上限付きなので応募者が受け取れる総額は数量配分で制約された。価格の魅力は明白でも、返却株を保有する株主は第三者割当後の希薄化と提携効果を引き続き負うため、名目プレミアムだけが最終収益ではない。

少数株主の論点

応募株主にはあん分返却があり、非応募株主を含む全株主には2,134,200株の新規発行が影響した。一方で上場は続き、残存株主は開発・調達シナジーへ参加できる。少数株主は大株主の影響力増加と希薄化を受け入れる代わりに成長機会を保持した。

結果の評価

応募超過によりTOBは予定上限を取得し、第三者割当も具体的な必要株数まで決まったため、資本提携の実行は計画どおり進んだ。持分法関係が共同開発、購買単価、受注シェアを改善したかは別途の事業成果で、上限充足だけでは判断できない。

確認できない点・限界

公式資料から930円、応募・あん分取得数、TOB直後29.45%、割当予定2,134,200株と割当後の各予定比率を確認した。資料内の34.74%、34.75%、36.01%は分母・丸め・特別関係者の合算範囲が異なる表示であり、実際の払込完了後の確定比率、提携後の取引条件、希薄化の長期効果は追跡していない。

このTOBの位置づけ

案件タイプ

自動車部品メーカーは電動化、軽量化、制御ソフトへの投資を迫られ、単独で開発費を負うほど採算が不安定になる。シートに強いテイ・エス テックと電装・機構部品を持つ今仙電機は、顧客基盤と技術を組み合わせることで提案範囲を広げようとした。

下限を置かず上限だけを設定し、取得不足分は第三者割当で補う仕組みは、公開市場から買える数量にかかわらず必要持分へ近づける。反面、非応募株主には新株発行による希薄化が生じるため、TOBへの任意応募と会社による資本調達を一体で評価する必要がある。

読みどころ

930円は直前終値比46.69%、3か月平均比40.91%で、上場維持型の部分買付けとして厚い上乗せだった。そのため応募は上限を約195万株超過し、あん分比例により希望数量の全てを売れない株主が多数生じた。

TOBだけなら直接28.06%、合算29.45%であり、第三者割当後の予定値とは基準時点が違う。さらに割当後も対象会社表示34.74%、買付者表示34.75%、特別関係者込み36.01%で集計範囲が異なる。市場取得、新株引受、直接・合算比率を分離して読むことが資本構成の理解に不可欠である。

40%超のプレミアムは売却希望を強く誘ったが、上限付きなので応募者が受け取れる総額は数量配分で制約された。価格の魅力は明白でも、返却株を保有する株主は第三者割当後の希薄化と提携効果を引き続き負うため、名目プレミアムだけが最終収益ではない。

応募株主にはあん分返却があり、非応募株主を含む全株主には2,134,200株の新規発行が影響した。一方で上場は続き、残存株主は開発・調達シナジーへ参加できる。少数株主は大株主の影響力増加と希薄化を受け入れる代わりに成長機会を保持した。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は2件、確認日は2026-07-15です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分TOB

スケジュール終了

応募期間2020-11-10 - 2020-12-08

イベント数2

上場・手続き上場方針不掲載

100株損益不掲載

3か月プレミアム+40.91%