TOB(株式公開買付け)とは?

TOBは、買い手が「価格・期間・予定株数」を事前に示し、株式市場の立会外で株主から株式を買い集める手法です。 経営権の取得、上場子会社の完全子会社化、非公開化などで使われます。

最終更新: 2026-02-20

目次

  1. TOBの基本
  2. TOBの流れ
  3. TOBの具体例
  4. TOBのメリット
  5. TOBの注意点
  6. 発表時のチェックリスト
  7. よくある質問

TOBの基本

TOBは英語の Takeover Bid の略で、日本語では「株式公開買付け」と呼ばれます。 買い手は公開買付届出書やプレスリリースで条件を開示し、株主はその条件を見て応募するか判断します。

TOBの流れ

  1. 買い手がTOBの実施を公表(価格・期間・目的・条件)
  2. 対象会社が賛同/反対/中立などの意見表明を公表
  3. 株主が証券会社経由で応募
  4. 期間終了後、成立条件(下限到達など)を判定
  5. 成立時は決済、その後に非公開化手続きへ進むことがある

実務では、競争法審査・海外当局審査・ファイナンス条件などで開始時期が後ろ倒しになるケースもあります。

TOBの具体例(IPO例の置き換え)

以下は、実際に実施された国内の代表例です。価格・期間・その後のステータスを確認すると、TOBの実務イメージを掴みやすくなります。

案件 公表日 買付価格 買付期間 目的/ポイント その後 一次情報
NTT → NTTドコモ 2020-09-29 1株 3,900円 2020-09-30 〜 2020-11-16 上場子会社を完全子会社化し、グループ戦略を一体運営 2020-12-25 上場廃止
TBJH(JIP陣営) → 東芝 2023-08-07 1株 4,620円 2023-08-08 〜 2023-09-20 非公開化により中長期の再編・投資を進める体制へ移行 2023-12-20 上場廃止
KDDI → ローソン 2024-03-27 1株 10,360円 2024-03-28 〜 2024-04-25 三菱商事・KDDIの50:50共同経営に向けた非公開化 2024-07-24 上場廃止

TOBのメリット

買い手側

  • 市場買付より短期間でまとまった株数を取得しやすい
  • 条件を公表して進めるため、手続きの透明性を確保しやすい
  • 経営統合や再編の実行計画を立てやすい

株主側

  • 市場価格より高いプレミアム付き価格が提示される場合がある
  • 応募するかどうかを期間内に判断できる
  • 大量売却時でも立会市場の流動性を直接気にせずに済む

TOBの注意点

発表時のチェックリスト

  1. 買付価格と直近株価に対するプレミアム
  2. 買付期間(開始日・終了日)
  3. 買付下限/上限の条件
  4. 対象会社の意見(賛同・応募推奨の有無)
  5. 成立後の方針(上場維持か、非公開化か)
  6. 応募先証券会社と手続き締切時刻

よくある質問

Q. TOBが出たら必ず応募すべき?

必ずではありません。条件、対抗TOBの可能性、税コスト、保有方針を踏まえて判断します。

Q. 期間中に市場で売るのと、TOB応募は何が違う?

市場売却はその時点の市場価格で即時約定、TOB応募は提示価格ベースで期間後に決済される点が異なります。

Q. TOB成立後に何が起きる?

案件次第ですが、非公開化を目的とする場合は、株式併合などを通じて最終的に上場廃止に進むケースがあります。