TOB Commentary
シートゥーネットワークTOBで見る外資小売の日本市場進出
TescoによるシートゥーネットワークTOBは、外資小売が日本の食品流通企業を高比率で取得した2003年の案件。
案件の基本情報
- 対象会社
- シートゥーネットワーク(7588)
- 買付者
- Tesco
- 関係
- シートゥーネットワーク ← Tesco
- 買付価格
- 3,400円
- 公表前株価との関係
- 公表前市場株価を基準 / +35.1%
- 買付期間
- 2003年6月11日から2003年7月10日
この案件の結論
シートゥーネットワークTOBは、外資企業が日本の上場会社をTOBで高比率取得し、国内事業基盤を取り込む戦略買収の代表例である。
今回のTOBで見るべきポイント
- 外資による戦略買収では、買付価格と同時に日本市場での事業展開目的を確認すること。
- 90%超まで取得するTOBでは、上場廃止や完全子会社化の可能性を前提に読むこと。
- 買付結果の所有割合は、TOBが単なる出資ではなく支配権取得だったかを判断する材料になること。
本文
外資小売による戦略買収
TescoによるシートゥーネットワークTOBは、英国小売大手が日本の食品流通企業を取得した案件です。
TOB価格は1株3,400円、プレミアムは35.1%で、公開買付期間は2003年6月11日から7月10日まででした。
買付結果では、Tesco側が9,132,300株を取得し、所有割合は94.54%となりました。
この水準まで取得すると、買付者は対象会社の経営をほぼ完全に支配できます。
投資家にとっては、TOB後に上場を維持するのか、完全子会社化や上場廃止へ進むのかが重要になります。
プレミアムの背景
この案件のプレミアムは、単なる財務投資のリターンではなく、日本市場への参入戦略と結びついています。
海外企業が国内上場会社を買収する場合、対象会社の店舗網、仕入れ網、顧客基盤、人材を短期間で取り込める点に意味があります。
一方で、少数株主にとっては、海外親会社の長期方針を自分ではコントロールできません。
戦略買収では、買付者にとっての事業価値が高い一方、TOB後の再編方針が少数株主に与える影響も大きくなります。
TOB結果を重視する
TOBでは開始時の価格だけでなく、結果開示が重要です。
どれだけ応募が集まったか、買付者の所有割合がどこまで上がったかで、その後の再編余地が変わるためです。
シートゥーネットワークTOBは、外資による日本企業買収のなかでも、TOBを通じて高い支配比率を一気に得た案件です。
現代のクロスボーダーTOBでも、プレミアム、応募状況、取得後の事業統合方針をセットで見る必要があります。
読み違えやすい点
- 外資買収では、国内事業の成長余地だけでなく、撤退や再編の可能性も後から論点になる。
- 高い取得比率のTOBでは、非応募株主が上場廃止後の手続きに残るリスクがある。
次に監視する点
- 買付後の所有割合と上場維持方針
- 海外親会社の日本市場戦略
- 対象会社の流通網、店舗網、仕入れ機能の再編
関連ページ
一次情報リンク
- 英国テスコ/公開買付けにより食品卸のシートゥーネットワークの株式取得 (LNEWS)
- Further re C-Two Network (Tesco / RNS)
- 平成17年度 対日直接投資促進策等に関する調査研究 (内閣府)